整体・カイロの治療をさせていただいていると、「肩こりを感じないんですけど、人からは堅いと言われます」とか、「肩こりなんですが、放置するとどうなるのでしょう?」とよく聞かれることがあります。肩や首のこりは個人差はあるものの、一定の期間を経過すると、寝違いなどの症状が出ない場合ならば、つらさは遠のいていくものです。これに関しては「肩こりに慣れてしまう」という意味も含まれます。

中には「別に肩を柔らかくしなくても、痛くないなら問題はないのでは?」と思われる方もいらっしゃいます。このように凝り(こり)の度合(硬さ)とご本人が感じる肩こり感は必ずしも一致しないものです。凝り(こり)に対する感性は、凝りを放置するほど鈍くなり、凝りを感じなくなるので、さらに凝りがひどくなり、悪化(硬化)するのを放置することになります。

その結果起きる現象が頭痛やめまい、目のかすみ、視力の低下、眼精疲労、頭重感、耳鳴り、気持ち悪い、血圧の上昇など様々ですが、多くの人にとって一番不都合な症状が 自律神経の失調です。自律神経は、身体の生命維持機能の自動操縦ですから、その調子が乱れる自律神経失調は様々な症状をもたらすことになります。

脳は身体の機能をコントロールする中枢ですが、身体の機能には意識的にコントロールできるものと、自動的にコントロールされているものがあります。例えば手を上に上げる、歩くなど体の動きに関すものは意識してコントロールできますが、胃や腸を動き、インシュリンの分泌、尿の排出などの内臓の機能や身体の生理的な部分を意識的にコントロールすることはできません。

そうした意識的にコントロールできない身体の基本的な調整を行っているのが自律神経です。 この自律神経の働きが乱れることが自律神経の失調で、自律神経の失調は身体の機能が悪いのではなく、機能のコントロールがバランスを崩した状態なのです。

自律神経は交感神経と副交感神経に分かれ、この二つが無意識のうちにスムーズに切り替わることで、人間は通常の日常生活を送ることができます。この切り替えですが、具体的には交感神経が朝に優位に立ち、一日がんばることができます。そして夜には副交感神経が優位に立ち(切り替わり)、今度は神経がリラックスすることで眠る事ができます。

ところが体質的な問題や、生活習慣の乱れ、精神的ストレス、性格的な問題などが影響して、自律神経系のバランスを乱した場合は様々な症状に悩まされることになります。

一般的に「自律神経失調症」と言うと、精神科や心療内科のみの領域と思われてますが、肩や首のこりと自律神経失調とは一定の関係性があります。様々な意味で脳にとっての一つのサインである「肩や首のこり」をほぐすことは自律神経失調の症状を和らげることになるのです。

人間の平衡感覚を司るセンサーは耳の奥にあります。人間は身体の傾きを瞬時に判断して、姿勢を調整しないと倒れてしまいます。その傾きを判断するセンサーが耳の奥にあるということは、体が傾いているのか?首を傾けているのか?などの状態を常に情報としてキャッチしていないと倒れてしまうということになります。

筋肉にはすべてその緊張度合を脳に知らせる情報経路があり、各筋肉の緊張度合を常に脳に知らせています。脳はそれらの情報と平衡感覚をつかさどる耳の奥のセンサーの情報を総合判断し、各筋肉を収縮させて体を動かします。

首はとても多様な動きをしますから、小さな筋肉が複雑に入り組んでいて、その複雑に入り組んだ多くの筋肉がそれぞれ脳に信号をおくっています。筋肉のセンサーはリラックスしているときは、脳にほとんど信号を送りませんが、筋肉が緊張すると、その緊張具合を知らせる信号を脳に送ります。こりは筋肉の緊張とも言えるので、こっている筋肉からは緊張を知らせる信号が脳に対して発信されています。

そして首の筋肉がこると、首の複雑な筋肉から多くの信号が脳におくられ、その情報が「姿勢のモニタリングに有効ではない」ために微妙な調整にずれが生じて、それがめまいとして感じられます。この首こりからくる有効でない信号は脳にとって危険サインなのです。

人間は筋肉の緊張を緩め、筋肉から脳への信号を少なくして眠りにつくのですが、首や肩のこりが強い場合、こりからの危険サインが脳に伝達され、眠りを妨げてしまいます。これが肩や首のこりによる眠れない構造で、本来夜に優位に立つべき副交感神経よりも、働かなくてもいい交感神経が夜に機能してしまいます。そしてこの危険サインは当然ながら自律神経の働き(バランス)も乱すことになります。

当院では、筋肉を緩め、骨格を調整するることで自律神経のバランスを整え、頭痛やめまい、目のかすみ、視力の低下、眼精疲労、頭重感、耳鳴り、気持ち悪い、血圧の上昇などの症状を改善させます。

すこやかケアー(整体・カイロ・マッサージ・気功)

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